日本沈没 第二部小松 左京 / / 小学館 ISBN : 4093876002 スコア選択: ※※※ 昨年映画もリメイクされた、『日本沈没』の続編小説です。 続編、前作が発表されてから二十年以上も間があいての発表です。映画の公開にあわせたように、昨年発売されました。 卒論で取り上げたために、『日本沈没』を何度も読んだわたしとしては嬉しい限りの発売でした。 映画にもなっている、『日本沈没(第一部)』は、日本が沈むまでの話がメイン。 なので、第二部は世界各地に散らばった日本沈没後の日本人がどうなったかがメインのお話です。 実は、作者の構想では、沈没後の日本人の話をメインにする予定だったそうな。 結果的に、沈むまでの話が長くなってしまったので第一部として話を一旦閉じたそうです。(結果的に、その第一部が爆発的なヒットを飛ばしたわけですが) 原作読んでいない方には第一部ってなんだ?と思われるかもしれませんが、実は『日本沈没』の最後には『第一部 完』の一行があるんです。(じゃあ第二部は?と読者の期待を受けつつも、第二部の刊行には二十年以上かかったわけですが。) で、第二部のお話です。 第二部、実は谷甲州さんというSF界ではこれまた有名な作家さんが書かれていて、その構想は第一部の作者である小松左京を筆頭としたグループで行われたそうなんですが。 個人的には、小松左京さんが書いたものが読みたかったなぁ。 やっぱり、書く人が変わると話の印象って随分違います。 谷さんの文章を否定するわけではありませんが、わたしが期待していたのは小松左京の文章だったんだなぁと感じました。 話の流れは、大した事件もなく(あることはあるけど)、第一部の登場人物をちらほらと登場させつつ、沈没してから二十年経って世界中に散った日本人がどのように生きていたかを報告するような物語になっています。 『日本沈没(第一部)』を読んだ読者にとっては、「あのあと世界はこうなったんだなぁ」とちょっとしみじみさせられる部分もありで、続編として読者の期待する部分はカバーしている小説だと思いました。 ただ、第一部を読んでない人はきっと面白くないんだろーな。 映画だけ観て第二部を読もう何てことしたら、絶対と中で挫折しますね。 第一部あっての第二部です。 第二部だけ読んでもむちゃくちゃ面白い!っていうものではなかったのがちょっと残念でしたが、『日本沈没(第一部)』をお読みになられた方には是非読んでいただきたい一冊です。 # by miwabook | 2007-04-15 02:09 | SF
となり町戦争三崎 亜記 / / 集英社 スコア選択: ★★★★★ 今日読み終わった本です。二日半で読み終わりました。 結構話題作だったんで本屋で買ってみたんですが。 なんだこの小説は。 地域振興事業の名の下に、となり町と戦争が勃発するって話です。 でも、戦闘区域も時間もお役所仕事で限られている。地域報に戦死者の数だけが掲載されているが、主人公の周囲にはいつもの日常となんら変化がない。 戦争が始まったというニュースだけが先走り、何の実感もわかないまま、主人公はとなり町の査察を任ぜられる……という話です。 戦争をここまでお役所仕事で片付けてしまうあたりがものすごい。 戦争説明会で、戦闘時間は通勤時間を避けますとか、そんな話したり。 かといって、この小説の世界背景はまったくわからず。 とにかくなんなんだ、としか言えない。 でも面白いんですよね。 戦争を実感できない主人公の感覚が小説の世界がわからない読者と重なって、自分まで小説世界からおいてけぼりにされた気分にまでなってしまう。 次はどうなるんだーみたいな。 こんなにわけわからないくせに面白い小説もそうそうないんじゃないでしょーか。 結構、話題作ってわけわからないだけの小説もぶっちゃけあるしね。 # by miwabook | 2007-04-03 22:34 | SF
新井 素子 / / 講談社 ISBN : 4061840363 スコア選択: ※※※※ 久しぶりの更新です。 中学時代に一度読んだ本を、たまたま本棚見て懐かしくなって読み返しました。 新井素子さん、ものすごく好きな作家です。 この小説を読んだのは多分中学か高校生のときだったんで、多分六~八年ぶりくらいに読みました。 改めて読むと、印象がぜんぜん違う。特に作者のあとがき読んで。 新井素子さん、この小説、23歳の時に書いてました。今の自分と同じ年。 脱帽です。 話は、23歳にもなって一人で電車にも乗れない祥子と、そのお守りを小学生のときからやってきた真実の話。23歳にもなって共生してしまっている二人の前に現れた綾子によって、崩壊していく二人の精神状態の描写が話の軸です。 主人公の心理描写だけでこんなに長い話ってそうそうないんじゃないんだろうか。 その分、口語分も多いしわーっと一気に読めます。 ちなみに舞台は山口県の秋吉台、秋芳洞。 これ読んだら行きたくなっちゃいました。 GWは一人10万かかるからやめたけどww 今ではかなり手に入りにくい本かもしれませんが、お勧めです。 ぜひ新井素子さんの本を一度お読みください♪ # by miwabook | 2007-04-03 22:21 | SF
晩年の子供山田 詠美 / / 講談社 ISBN : 4061858297 スコア選択: ※※※※※ ちょっと前に読み終わった小説です☆ 小学生とか中学生が主人公の短編小説集ですが、すごく面白かったし懐かしい気分になりました。子供の頃って、ちょっとしたことでさわいだよな~とか色々思い出しました。 例えば一つ紹介すると、親戚の飼っている犬に噛まれる女の子の話(題にもなっている『晩年の子供』)があります。 犬に噛まれた女の子は、その後「犬に噛まれると狂犬病になる」という妹の言葉を信じ、自分はあと少しで死ぬものと思い込むんですね。 で、このあとの行動が面白い。自分の今までの行動を反省して、嫌いだといってきたクラスメイトに謝ってみたり、父親と人生とは何か語り合ってみたり。とにかく死ぬ前にできることをやって考えられることを考えておこうと諦めにも似た思いで色々やるんですよ。 子供って一度思い込むとずっとそれにこだわってたり、大人から見たら意味不明な行動したりするんだけど、本人は大真面目なんですよね。 なんかそういった時代が自分にもあったことを思い出しました。 ちょっと忘れかけてたものを思い出させてくれるような短編集です。 # by miwabook | 2007-02-04 01:38 | 純文学
使命と魂のリミット東野 圭吾 / / 新潮社 ISBN : 4103031719 スコア選択: ※※※※※ 会社の同期に借りた本です☆ ハードカバーだったんだけど、予想外に面白くて三日で読んじゃいました。 主人公は病院を研修で回っている研修医。 とりあえず、自分も入社一年目の研修医なのでそこで色々共感。 でもって、病院に謎の脅迫文が届くんですが、その犯人がまた切なくていい奴なんですよ。 病人を守ろうとする医者たちと、苦しみながらも病院を狙う犯人の姿がうまい!と思いました。 最近の東野圭吾作品は前はお馴染みだった最後のどんでん返しがあまりない感じですが、 今回のは面白かったです。 最後はちょっとうるっときました。 結構量があるので読むのが大変かもしれませんが、結構おすすめです☆ # by miwabook | 2007-01-29 21:49 | ミステリー
4TEEN石田 衣良 / / 新潮社 ISBN : 4104595012 スコア選択: ※※※※ 石田衣良の初期の作品で、直木賞を取った短編集です。 月島に住む中学生の男の子四人のお話。 中学生の男子ってこんなばかなことばっかやってんのかな~と思いつつ、なんかばかなこといっぱいやってた中学時代が思い出されてすごく良かった。 周りのこと気にしないでばかなことしたり、単純にいいと思ったからする、悪いと思ったからしない、そういうことができるのって子供の特権ですよね。 中学時代にすごく楽しかったときの気持ちをちょっと思い出せてすごく読後感のいい小説でした。 # by miwabook | 2007-01-29 21:37 | その他
芥川 龍之介 / / 新潮社 ISBN : 4101025029 スコア選択: ※※※※ かの有名な芥川龍之介の小説です。 やっぱ、たまにはこういう古典を読むのもいいですね。 芥川龍之介や阿部公房は古典の中では好きなほうなんですが、久々に読みました。 今回読んだ本も短編集なのですが、有名なだけあってやっぱり『地獄変』は面白かったですね。 地獄の様子を屏風に描けと言われた絵師が、燃える車の中で焼かれる女の様子を描きたいと申し出ると、お上がその絵師の娘を車ごと燃やすんですよ。 ざっとこんなあらすじを書くとえらい残酷な話なんですが、芥川龍之介がかくと深いんですね。 面白かったです。 芥川龍之介なんて学校の教科書で羅生門を読むくらいの人が多いと思うんですが、 たまには是非お読みください。 ちなみに『地獄変』も面白いですが、一緒に収録されている『藪の中』もお勧めです☆ # by miwabook | 2007-01-29 21:28 | 純文学
椿山課長の七日間浅田 次郎 / / 朝日新聞社 スコア選択: ★★★ 秋に映画化された小説で、昨年の最後に読んだ本です。 過労で死んだ椿山課長が現世にやり残したことがあるといって、美女の肉体に宿って戻ってくる話です。 人間、知らなかったほうが幸せだってこともあるんじゃないかと思いました。 椿山課長、死んでから知ることが多すぎる。 椿山課長は果たして現世に舞い戻ってよかったのかどうか、怪しいところだというのが感想ですね。 ちなみに話は非常にコミカルで、小説に慣れてない人には非常に読みやすいんじゃないでしょうか。 正直、わたしは漫画並にコミカルな雰囲気にちょっとついていけない部分がなきにしもあらずでしたが。 映画は見なかったけど、映画の配役を創造しながら読めました。非常にわかりやすい話ではあります。 実はこの本の感想、前に一回書いたはずなんだけど、なぜか反映されていない。 なぜだ。あの時、PC落ちたっけな。 うーん、最近脳細胞がうまく働いてませんね。物事がまとまりません。 # by miwabook | 2007-01-05 13:59 | 純文学
ZOO〈1〉乙一 / / 集英社 ISBN : 4087460371 スコア選択: ※※※※※ ZOO〈2〉乙一 / / 集英社 ISBN : 408746038X スコア選択: ※※※※※ 今人気の乙一の初期の短編集です。 面白いんだけどね、とにかく怖いです。 ちょっと寝る前に思い出して怖い思いしました(笑 特に印象に残ってる話↓ 突然、姉と一緒にばらばら死体が排水溝を流れてくる密室に閉じ込められた『Seven Rooms』 自分の言葉の通りに人や世界が動いてしまう『神の言葉』 隠された殺人事件をめぐる『クローゼット』 殺した恋人の死体が腐っていく写真を毎朝自分の部屋のポストに入れていく『ZOO』 なんか漫画も出てるみたいです。漫画もちょっと買おうか検討中。 リアルに気持ち悪い話が多いけど、どこか切なくさせられるのはどうしてでしょうかね。 乙一の話はすごいです、ほんと。 本屋に行けばものすごくいっぱい売ってるんで是非見てみてください☆ # by miwabook | 2006-12-18 22:14 | ホラー
スローグッドバイ石田 衣良 / / 集英社 ISBN : 4087478165 スコア選択: ※※※※ 池袋ウェストゲートパークで有名な石田衣良の恋愛短編小説集です。 ぽいな~と思いつつ、地味に深くてよかったです。 下手に包み隠さない感じもある意味よい。 最近腐ってるんで、こういうの読むのはいいですね。 さらっと読めるし、考えずに本が読みたいときにお勧めです。 # by miwabook | 2006-12-18 21:57 | 恋愛
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本は心の栄養です。 たくさんの素敵な本と出会いたい。 以前の記事
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